迷宮


「愛してる」が言えない 嘘になってしまいそうで
指輪を外す瞬間 息が止まる

朝日が差すベッドの 彼女はもう目覚めたかな
ドアを閉めたら聞こえた 「行かないで」と

遅過ぎた出会い これも運命?
いつか来る別れ 辿るぐらいなら 道に迷おう

口づけたあと胸に広がる切なさを
名前で呼んだら二人は結ばれる 夢にさえ描けない
想いは全部両腕に託しておいた
少し痛くてもどうか離れないで 今だけは

わがままが欲しいけど もしも本気が続いたら
煩わしくなるのだろう 僕は酷い

「ごめんね」が口癖に なったのは近づく影に
怯えているからじゃない 伝えておく

月にだけ語る お伽話を
ポケットに秘めて 歩く路地裏で 目眩が襲う

大人のふりで子供をまだ捨て切れない
人ひとり上手く傷つけられなくて 沈黙に身を投げる
子供になって何もかも忘れようとして
初めて見せる顔に手が解けた 君は誰?

(さようならが言えない。さようならなんてできない)
噛み締めた唇から 逃げる言葉

―捕まえて 星に隠した

口づけたあと胸に広がる切なさを
名前で呼んだら二人は結ばれる 夢にさえ描けない
想いは全部両腕に託しておいた
少し痛くてもどうか離れないで 今だけは
微笑みながら眠りに落ちていく彼女
シーツで包んで抱きしめるつもりが 抱かれているのはなぜ?
背中を押され振り返る視線の先に
涙があるから僕は道に迷う これからも




COMMENT

もういい加減大人だし、大人のバラードが書きたかったんだ。
となるとやっぱEXILEでしょーってね。
しっとりと切なく、それでいて優しく……が目標でした。
まあ、読めば主人公がどんな男で、彼女とどんな関係なのか分かるかな。
ていうか分かってもらえないと困るんだけど。
加えて、読みながら揺れるようなダンスが頭に浮かんでくれると最幸です。