少女喪失


恋に目覚めたのは 15間近の秋が深まる頃
相手は指輪の痕を残す年上の男
ままごとじゃ味わえない痛みを教えてくれた

鼓膜をすり抜ける 親も家族も先生もみんなも
彼以外の言葉はいらない何も聞こえない
首輪をかけていいのはこの世界に一人だけ

耳障りな教室
制服が体を締めつける
早く脱がして 初めての夜のように

祈りながら目を閉じる
唇にかかるのは柔らかな熱
もうこのまま もうこのまま 夢の中へ
暗い帳が広がる
消されてしまいそうで身に火を灯す
針よ回れ 針よ回れ 朝が眩しくて涙

誰もいない海へ 出かけたのは冷たい風が吹く日
胸の開いた服が台無しで俯いてたけど
そっと抱き寄せられたら気持ちは天まで昇る

愛に去られたのは 15境の冬が鳴き出す頃
追いかけようにも背中さえも見せてくれなくて
ままごとじゃ味わえない孤独を残していった

静寂が騒がしい
もう生きているのが苦しくて
カミソリを手に 一晩中震えてた

祈りながら目を閉じる
足の先から熱が失われたら
もうこのまま もうこのまま 永遠(とわ)に眠れ
新しい光が降る
繰り返し繰り返し名前を歌う
私は誰? 私は誰? 声が優しくて涙

時間に流されて 馬鹿な私は恋に目覚めていた
相手は教壇で善を説く誠実な男
他の誰よりも愛を甘く切なく伝えた

祈りながら目を閉じる
唇にかかるのは柔らかな熱
もうこのまま もうこのまま 夢の中へ
暗い帳が広がる
消されてしまいそうで身に火を灯す
針よ回れ 針よ回れ
止まらないで 止まらないで 朝が悲しくて (かな) しくて涙




COMMENT

Acid Black Cherry(以下ABC)もといyasuさんは、やっぱり女性目線になっちゃいました(笑)
主に「少女の祈り」「少女の祈りV」からイメージが来てる。
ABCもそうだけど、Janne Da Arcも聴いていて女性目線の曲に耳がいく。
歌詞の中の女性は普通の女性(女の子)じゃなくて、どこか危うげな雰囲気を纏った感じの……。
究極的に言えば誰でも持っているんだと思う、たぶん自分にもね。
yasuさんの曲や歌詞は、自分の雌部分を引き出してくれる。
そんな雌部分を、振り絞って、寄せ集めて出来上がりました。