嗚呼


弾ける前に萎んでいく風船を
中途半端に浮いたまま眺めている
ふと見上げた空が青くて
妙に安心してしまうんだ

ずっと声は聞こえているよ
近づいたり遠ざかったり何が何だか
正直 もう耳を塞ぎたい
ぶれた心臓がうるさいな

期待してもいいじゃないか 自分に
望んでもいいじゃないか 未来に
どんな僕でも こんな僕でも
生まれたんだから 生きているんだから 嗚呼!

冷たい床と一つになる夜が明けた
グラスの底に残ったウィスキーに
物々しく舌を伸ばして
きっと僕は君を待っている

褪せた服を身に纏うんだ
擦れた靴で歌を咥えて街に踏み込む
どうにか まだ息に縋りつく
(たゆ)む涙腺を許してよ

救われてもいいじゃないか 神様
呼ばれてもいいじゃないか 世界に
どんな僕でも こんな僕でも
生まれたんだから 生きているんだから 嗚呼!

 逃げ出してすぐ振り返る
 案の定誰も追ってこないね
 それでも立ち止まれない
 それでも諦め切れない
 ゲス野郎とは僕のことだ

期待してもいいじゃないか 自分に
望んでもいいじゃないか 未来に
どんな僕でも こんな僕でも
救われてもいいじゃないか 神様
呼ばれてもいいじゃないか 世界に
どんな僕でも こんな僕でも
生まれたんだから 生きているんだから 嗚呼!
生きていたいから 生きていくんだよ