恋心 意図せずに持ち歩いていた 習慣のようなもので 今はもう必要ではない どこで落としたのだろう ポケットの中か カバンの奥底に入れていたはずだ 大事にしていたのは先週まで でも誰かに拾われたくはない 何と分からなくなるほど踏み潰されるのも 耐え難い ずっと探している 輪郭を描いて 感触を確かめるように 指の関節を動かす 足元ばかり見ていたら 気持ち悪くなった 空を見上げてみたら 涙腺が緩んだ 目の前を見たら みんな同じ顔だった