371

あなたの声を聞かせてください
私の声を聞いてください
手と手を取って考えましょう見つけましょう


372

たぶん明日も生きている
たぶん明日は笑っている
もし明日泣くことがあっても
たぶん次の日も生きている
たぶん次の日は笑っている


373

初めてあなたの涙を見た日
もう二度と泣かせないと誓ったけど
もう二度とあなたが僕を理由に
泣いたりしないんだろう


374

頬に残る涙の感触
何があったのか
何がそんなにも悲しかったのか
一つも覚えていないけど
指でなぞっては
また 胸が軋む

泣きながら目覚めた僕に
光は差さなかった
抱き締める腕も
慈しむキスも
僕には与えられない

もうすぐ夜が訪れる
時計の針が耳元に囁く

おやすみ いい夢を


375

僕の隣は空いているけど
振り返れば優しい笑顔
それだけでもう充分だ
悲しい言葉は口にしないで
見えない明日を考えるのはやめた
記憶を最後まで連れていくよ
両手で風をさらいながら


376

右手にナイフを持っている
いつだって誰かを殺せる
いつだって自分を殺せる


377

たぶんね
僕が一人だから君も一人なんだよ

君は僕じゃ駄目なんだ
僕とじゃ二人になれないんだ


378

君の未来に
ほんの少しでもいいから登場したい
通行人でもいい
隣になんて夢は見ないから
すれ違う時そっと微笑みかけさせて
気づいてくれなくて構わないよ


379

お前が血を流すのなら 私も血を流そう
お前が血を流さずとも 私は血を流そう


380

目玉焼きには醤油だよ とか
えー絶対塩だよ とか
いやいやケチャップに決まっている とか
なんて言い合える幸せ