271
意識が別のところにあるみたいだ
焦点が定まらない
電車の揺れに合わせてあちらこちら
視界に入る笑顔に殺意を覚えた
ポケットからナイフを取り出す
誰にも気づかれてはいない
颯爽と振り上げる
迷いはない
振り下ろす
まっすぐに心臓を目がけて
耳の近くで音が途絶えた
272
側にいて
ずっとずうっと
一秒でも離れないで
君がいないと駄目なんだ
君じゃないと意味がないんだ
笑顔も涙も君がくれる
だからお願い
僕に繋がれてくれないか
永遠に二人で縛られようよ
273
君は何も知らないよ
勝手に気づいたとしても
俺は何も教えていない
274
ねえ神様
ちゃんと見てて
始まりから終わりまで一つもこぼさずに
僕を見ててよ
275
抱きしめていい?
(抱きしめて)
キスしていい?
(キスして)
好きだよ
(君は?)
ちゃんと聞こえている?
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276
目を塞いでも
映り込む
耳を塞いでも
流れ込む
手を伸ばしても
掴めない
お前の名前を教えてくれ
277
僕は君を笑顔にさせられたかなあ
知りたいんだ
叶ったなら
思い残すことはもうない
278
このまま目を閉じて
百年ぐらい眠っていたい
百年過ぎたら
世界は変わっているだろうか
世界は終わっているだろうか
279
幸せにはなれなくてもいい
なれるとも思わない
不幸にはなりたくない
なれるとも思わない
280
全部は言わなくていい
少しでもいいから
君の本当が知りたいんだ