231
僕は、
君を選べなかったんじゃない
夢を捨てられなかったんだ
232
この年齢差はどうしても埋められないけど
君を少し見下ろすこの角度が誇らしい
君が少し見上げるその表情が愛おしい
233
君が好き
それだけで充分だった
それだけでどこまでも行けると
本気でそう思っていた
234
好きになっちゃいけない人
なんてこの世にいないよ
心は何にも奪えない
誰もが誰かを好きになっていいんだ
だけどね
好きと言っちゃいけない人
それはこの世にいるよ
たった二文字を口にするだけで
君も誰かも失われる
235
神様は
何も言わない
何も答えない
何もしない
ただそこに在る
236
退屈しのぎに空を仰ぐ
あの日、
イカれた世界でまともな彼女は
イカれた世界で狂った僕の
心臓を撃ち抜いた
237
「愛してる」
「愛して」
「愛してる」
「愛して」
「愛してる」
いつになった聞いてくれるの?
238
どいつもこいつもうるせえよ
誰が為? 何が為?
我が為に決まってんだろ
239
眠れない
小さな小さな音の粒が
いくつも這い回る
何も言わない
問いかける
何も答えない
目を閉じているよ
耳を塞いでいるよ
止まない
消えない
終わらない
夜はまだ始まったばかり
240
ここにおいでよ
ほんとの僕を教えてあげる
明かりはないけど
君がよく分かる
面白いぐらい
ベッドが揺れているね
声はどちらのものだろう
BGMには最適だ
触れて感じて
繋がって飲み干して
やっとぼくを見てくれた