141
君に握られた手が
まだ熱を持ってる
痺れたみたいにじんじんと
記憶を運んでくる
自然と頬が緩んでいた
戸惑いと喜びが入り混じった
この気持ちを何と呼ぶか
僕はまだ知らない
142
花も
草木も
建物も
空気も
音も
渇いて見える
違う
渇いているのは僕だ
143
みんな孤独だ
形は違えど
大きさは違えど
みんな孤独を持っている
似ていたとしても
近かったとしても
共有することはできない
孤独を知れ
孤独を知るな
144
特別はいない
例外はいない
人には自分を表現する権利がある
と信じたい
僕はそれを
言葉で描き続ける
145
私は人を大切にはできません
けれど蔑ろにもできません
心の中では
どうやって裏切るか
そればかり考えています
それでももらった優しさは捨てません
まだ持ち続けています
待っててください
いつか辿り着きます
弱い心を引き連れて
あなたの元へ行かせてください
146
涙にはハンカチを当てて
傷口にはガーゼを当てて
147
僕は一人じゃない
でも一つの個体だ
148
言葉だけ見ても
何が正解なのか分からない
状況の後ろを言葉は追いかける
死にたい
死んだ
彼は絶頂の上で
149
耳を塞ぐつもりはない
だけど心までは通さないよ
やっと何が一番大切か
決められたんだ
やっと前を見て進めそうで
敵は少ないほうがいい
わざわざ作らなくてもいい
否応なしに壁になる日が来るから
今は走り続けるよ
150
そうだ僕に愛はない
だけど愛したいという心はある
だけど僕は愛を知らない
だけど愛されたいという願いはある
こんな僕は駄目だろうか?