101
迷うからこそ
答えが導き出せるんだ
102
いつか君に
この思いを告げられるだろうか
そんな時が
そんな場面が
訪れるだろうか
君の瞳に
僕を映せるだろうか
それまでは
この言葉は取っておく
103
強い人間を寄せ集めて
弱い人間は雑魚と切り捨てる
そんな世界に何の意味がある?
一通りの人間しか生きられない
そんな世界が正しいと言うのなら
僕は間違っていて構わない
すべてを置いて出て行くよ
104
深く刻まれた傷を見ないために
明るく振る舞った
流れ続ける血を見ないために
体を動かした
今でも
傷は塞がらずに
血は肌を伝っているよ
105
不思議だね
機械を通して君の声が聞こえたよ
嬉しいね
こんなに離れていても
君を近くに感じたよ
106
そこに誰もいなかったなら
きっと何も生まれなかった
僕がここにいられるのは
きっと一人じゃないからだ
見えない誰かがそこにいる
そんな当たり前のことに気づくだけで
僕は少し強くなれた
107
君を忘れるには
ここには思い出が多すぎる
近くのスーパー
小さなコンビニ
寂れた公園
曲がりくねった長い坂道
塀の上 欠伸する猫
そんなありきたりな景色が
忘れかけていた君を何度も呼び起こすから
僕は次に向かえない
108
腹の底から
込み上げてくる感情を飲み込んだ
一度でも許したら
きっと止まらなくなる
無駄に水分を消費するのも
癪に障る
体の中では
行き場をなくした感情が
のたうち回っている
吐き出したら
自分のものじゃなくなる
君が気づいてしまう前に
早く消えてくれ
109
エアコン
家鳴り
風に揺れる窓
服がこすれ合う
時計の秒針
呼吸
音
に加えてロックミュージック
振動が頭を巡る
隅に追いやった
ドッペルゲンガーは黙らせておいて
万が一口を開いても
唸るギター
沈んだベース
刻むドラム
悲鳴に近い優しい叫び
で
存在すらかき消してしまえばいいさ
ボタンは手の届く位置に置いておこう
決して途切れさせない
僕が今日に消えるまで
110
この胸から溢れる思いをそのまま
君に届けよう
君に伝えよう