081

体に巣食った菌は薬でどうにかなる
高い薬なら尚更よし

心に巣食った菌は薬じゃどうにもならない
せいぜい時を経過させるぐらい
根本的な解決にはなんないし
安っぽい合いじゃ毒にも薬にもなんない
それに金で愛は買えないと来た
打つ手なし、かな


082

腹の底から這い上がってきた不安
胃液と一緒に水に流れていってくれればいいのにな
残るのはざらついた苦味だけでいいよ


083

幸せになってほしいから
手を繋がない


084

当たり前のことを
当たり前にできるって
すごいことだよ


085

胸をかっひらいて
棲みついたどす黒い膿を
片っ端から掻き出して
さあ、真っ白になろう


086

声にならないから、僕は書くよ
結局これしかできないんだ


087

焼けるような熱が体を巡り
僕は僕を見失う
不思議と気持ち悪さはなくて
支配から逃れ支配される


088

そいつは僕を掴んで離さない
無理に逃れようとすれば
身が千切れるような痛みをくれる

抱えて走るには少し重いけど
連れていくのは
胸が痛むからだろう


089

手を繋ごうよ

もっと君を知りたい
もっと君を感じたい

君は一人じゃないよ
僕も一人じゃないよ

ほら、繋がってる


090

なりたい自分はたくさんあるけど
なれる自分は持ってない
なら 作っちゃおう