011

悲しみに暮れたあと
そっと空に手を伸ばす

※2008年10月トップB(「1st詩集 カラレス」より抜粋)


012

大きく笑った後に残る
あの温かさは
もう随分遠くに行ってしまった

今は罪を犯したような
気分になる
空虚感で満たされる
どんな表情をすれば
幸せを感じることができるんだろう

君には笑っていてほしい
僕は当分
笑えそうにないから


013

お前が命令を下すなら
私はそれに従おう

お前は私の脳であり
私の体を支配する
そして私はお前の第二の手足

私はお前のものだ
しかしお前は私のものではない

さあ下してくれ
どんな命令でも 私にできないことはない
お前が望むのなら
私はそれに従おう


014

朝日が部屋に差し込んだ
私の心までは差し込まない
そんなんじゃ届かないよ
もっと深く
入り込んで
私を満たしてほしい


015

人前で泣くのは恥だと思ってる
泣かないように強くありたい
それなのに僕は
一人で泣く虚しさを知ってる
濡らした枕が乾いてなかったことになる悲しさを味わってる
涙を見せないことか
一人で泣くことか
強さがなんなのか
もう僕には分からなくなってしまった


016

人前では泣けない僕に君は憧憬の目を向けてくる

かっこいいね
強いね

君がそんなことを言うから
僕はまた泣く機会を失ってしまった


017

痛みを共有することなんてできないけど
せめて側にいて


018

無理をすると頑張るってどう違うんだろう

違いが分かったら
眠りに体を預けることができるのに


019

何百回の「ごめんなさい」より
たった一回でも笑って
「ありがとう」をくれたら
嬉しいよ


020

君と僕の黒く染まった部分を
削ぎ取って
いい部分だけ残るようにして
僕が君を嫌わないように
君が僕を嫌わないように
一つになって
誰もが認める人間になれたら
ようやく
ここにいることができるかな