●31の夜を越え

Aoki「終わったあ」
Iz「お疲れー」
Jun「お疲れ」
Aoki「よっしゃ、行くで」
Iz「は?」
Aoki「は、じゃねえよ。一週間前に言うたやん」
Jun「覚えてないのか?」
Iz「……あ、そう言えばそんなこともあったような」
Aoki「予定入れてないやろうな」
Iz「ないない。どこで飲むん?」
Aoki「まあついてからのお楽しみよん」
Iz(気持ち悪……)

Aoki「ほれ早く入りい」
Iz「何だよ。押すなって。何でJunまで」
 パン、パン!
Iz「……は?」
束音「お久しぶりです!」
Iz「束音ちゃん? え、本物? 何でここに?」
束音「わあIzさんがそんな顔するの初めて見ました」
Iz「質問の答えになってないけど」
束音「誕生日パーティーです。ほらIzさんの誕生日一月初めで忙しかったから大きなことやらなかったって言ってたじゃないですか。だから一カ月遅くなりましたが、誕生日パーティーしに来ました」
Aoki「祝ってくれる彼女もいないしな」
Jun「Aoki余計なこと言うなよ。本当のことだとしても」
Iz「お前ら黙れ。束音ちゃん学校は?」
束音「終わりました。追試もなしです」
Iz「そうなんだ。もうマジで驚いたよ」
束音「じゃあ成功です。これ私が作ったんですが、よかったら食べてください!」
Iz「おおうまそう。ありがと」
束音(あ、笑顔が若い)
Iz「どうしたん?」
束音「あ、いえ! じゃあ蝋燭に火つけますね」
Iz「一緒につけよ」
Aoki「あーIzずるい! 俺も束音とつけたい!」
Iz「俺誕生日だもーん」
Aoki「もう過ぎたやん」
Jun(何かもう止めんのめんどくさ……)
Iz「ふっ」
束音「改めて25歳おめでとうございます!」
Iz「ありがと、束音」
 ちゅ。
束音(え、今のって……)
Jun「あ」
Aoki「ああ! Iz何やってんねん!」
Iz「別にほっぺにチューしただけだし」
Aoki「俺いつも投げキッスで我慢してんのに、何で先越すんや」
Iz「したくなったから」
Aoki「このやろ!」
Jun「束音ちゃん、鍋の準備しようか」
束音「……そうですね」