●10月13日

Aoki「なーに携帯見てんのー?」
Jun「重い……」
Iz「紫ちゃん?」
Jun「いや、違う」
Iz「へえ、じゃ誰よ? お前が携帯見入ってるなんて珍しい」
Aoki「どれどれ? あー!」
Jun(うるさいな。耳元で喋らないでほしい)
Aoki「束音じゃん。浮気かこの野郎!」
Jun「いい加減うざい」
Iz「束音ちゃんからお前にメールって珍しい……まさか告白?」
Jun「Izまで……悪ふざけがすぎるよ。見たら分かる、ほら」
Iz「あっ」
Aoki「ああっ」
Jun「俺も朝まで覚えてなかった、紫からの留守電で思い出して、メールくれたのは束音だけかな」
Aoki「Junは今日が誕生日なんや。俺、基本女の子の以外覚えんし」
Iz「俺はすっかり忘れてた。ていうかこの年になって誕生日でいちいち反応するのも……ねえ」
 コンコン。
Aoki「ん、誰や?」
「失礼しまーす」
 パン、パン、パパン!
「ハッピーバースデー、Junさん!」
Aoki「おーすっげえ! ていうかみんなJunの誕生日覚えてたんや」
「当たり前じゃないですか。さあ、Junさん火消してください」
Jun(え、マジで……)
Aoki「あ、一個残ったで。ふっ」
「何やってるんですか、Aokiさん!」
Jun「あ、別に構いませんよ」
Iz(まったくアホやな)
「じゃあ写真撮りましょう」
Jun「えっ……」
「記念ですから」
Iz「Jun諦めろ」
Jun(しょうがないな。気は進まないけど)
「何でAokiさんが真ん中なんですか。今日はJunさんが主役ですよ」
Jun「これでいいです」
「Junさんが言うなら……。はい、行きます」
 パシャ。
「じゃあ切り分けますね」
Iz「俺写メ取っていいですか?」
Aoki「俺も俺も。Junは?」
Jun「Izに送ってもらう」
「皆さんで食べてください。じゃ私達はこれで」
Jun「俺のためにどうもありがとうございました」
Iz(おー社交辞令スマイルだ)
「い、いえ」
 パタン。
Iz「束音に電話してみたら?」
Jun「俺が? でも、今授業中なんじゃ……」
Aoki「かけてみたらええやん。出られるかもしれんし」
Jun「あ、おいっ勝手に」
Aoki「ほれ」
Jun(ったくもう)
束音「も、もしもし、Junさんですか?」
Iz「喋れよ」
Jun「もしもし、今平気だった?」
束音「全然大丈夫です!」
Jun「メールありがとね。嬉しかったよ」
束音「あ、あ、ありがとうございます……って、Junさん」
Iz「もしもし、俺。分かる?」
束音「Izさんですか?」
Iz「正解。Junにメールくれたんでしょ。ほんとに喜んでたよ。実は俺達Junの誕生日忘れててさ束音ちゃんのメールで思い出したんだ。Aokiなんか覚えてもなかったし。今、スタッフにケーキプレゼントされて、これからみんなで食べるの」
束音「いいですね。私は十二月の終わりだから、友達からはメールしかもらえないし、家族に祝ってもらうような歳じゃないから羨ましいです」
Iz「俺らが祝ってあげるよ」
束音「……期待してますね」
Iz「後ろでAokiがうるさいから、代わるね」
Aoki「もしもし束音。元気?」
束音「はい、元気ですよ」
Aoki「Junのケーキがすごいんや。写メ取ったから後で送るな」
束音「わー楽しみです」
Aoki「今はあんまり時間ないから、今日夜電話しちゃおっかな」
束音「大丈夫ですよ」
Aoki「最後にJunに代わるね」
Jun「束音、ほんとにありがとう」
Aoki(マジな笑顔や。これ、ファンに売れそう)
Iz(よくないこと考えてるな)
Aoki「Jun」
Jun「何?」
 パン!
Aoki「25歳おめでとう! まだまだ俺の足元にも及ばんけどな」
Jun「うるさいよ、おっさん」
Aoki「まだおっさんやないもん」
Iz「はーうぜえ、早く食べるぞ」

Happy Birthday to Jun. Have a nice day.