●オンエアーの夜

Aoki、Iz、Jun「こんばんは、CATTAILです」
Iz「そういえば新曲を出したらしいですね、Aokiさん」
Aoki「はい。七月二十三日に『窓のない部屋』をリリースしました」
Iz「どんな曲に仕上がりましたか?」
Aoki「そうですねえ。今回は儚げなロックバラードです。メロディーもそうですが、歌詞にも切なさが溢れてるんで是非注目してください」
Iz「ほーそれは楽しみですね。では、歌って頂きましょう」
Aoki「って何でやねん!」
Iz「いや、お前も乗ったじゃん」
Aoki「そりゃ乗るやろ。関西人やしな」
Iz「はい、冷めた」

束音(Junさん喋らないなあ。まあ、いっぱい喋るJunさんなんて想像つかないけど。てゆーかしたくない。あ、メールだ)
〈起きとるやろ?〉
束音(Aokiさんだ)
〈テレビ見てました〉
〈俺ら出たやつ?〉
〈そうですよ。新曲すごくよかったです。トークも面白かったですよ〉
〈束音の歌詞やからね。めっちゃ心込めて歌ったで〉
〈ありがとうございます。すごい嬉しいです!! CATTAILに歌ってもらえてほんと光栄です〉
〈ほんま束音は可愛いな。また歌詞できたら送ってや〉
束音(また普通に可愛いとかいうし……)
〈了解です。頑張って書きますね〉
〈もう寝なよ。自然体の束音も好きやけど、肌に悪いからね。おやすみ〉
束音(本当にAokiさんってキスが好きだな。また語尾にキスマーク)
〈はーい。おやすみなさい〉
束音(……とは送ったけど、今から見たい番組あるんだよね)

束音「うわっ」
束音(あ、Aokiさんからだ。何だろう。出たほうがいいよね。先にテレビの音量下げて……)
束音「もしもし」
Aoki「やっぱまだ起きとったんやな。今、テレビの音量下げたろ。見んでも分かるで」
束音「何のことでしょう?」
Aoki「束音はピンチな時ほど冷静になるからな。ばればれや」
束音(ばればれ、かあ)
Aoki「そんな悪い子は襲いに行っちゃうぞ」
束音「来れるわけなじゃないですか。Aokiさん東京で、私は福岡ですよ」
Aoki「あ、言ってなかったけ? 俺ら今仕事で福岡来てんで」
束音「嘘!」
束音(いつもは来たら絶対言ってくれるのに……)
Aoki「嘘や」
束音「……Aokiさん大人げない」
Aoki「ははっ束音は結構騙されやすいなあ」
束音「そ、そんなことないですよ」
Aoki「やっぱ束音と話すと元気出るな」
束音「何かあったんですか?」
Aoki「何かない日なんてないで。あ、俺今詩人っぽくなかった?」
束音(どうしよう。これは追及すべきなのかなあ)
Aoki「じゃあ、束音今度こそ寝るんやで。おやすみ。チュッ」
束音(いつものAokiさんだ……けど、気になるなあ。私どうすればいいんだろう……)