●カラオケ
束音「カラオケ久々、緊張するう」
Iz「俺もだ。Aokiにたまに誘われるけど、最近は忙しかったからなあ。一日オフなんて久しぶり」
束音「えっ、そんな折角の休日をうちなんかと過ごしていいんですか?」
Aoki「大丈夫、大丈夫。Izは彼女おらへんし」
Iz「お前もなあ」
Aoki「俺は束音が彼女。そやろ?」
束音「……ごめんなさい。うちは渋い人が好きなんで」
Iz「じゃあ俺ならええと?」
束音「いやいやIzさんはうちにもったいなすぎますよ!」
Aoki「はっ、いい年した大人が何言ってん」
Iz「お前のが年上だ」
束音「あ、ここですね」
Aoki「よし、歌うで!」
Iz「束音ちゃんも遠慮せず入れろよ」
束音「はーい。何歌おっかなあ」
Iz「そういや束音ちゃんって色々聴くんよな?」
束音「はい、色々聴きますよー。ラルクとかHYDEさんとかVAMPSとか、英語の曲も好きだし、福山さんもいい。ラブサイケも好きだし、西川さんとかRADWIMPSも上昇中で。あ、バンプも、YUIも好きです。スキマとかキマグレンもいいですよねえ。特にジャンルはこだわらなくて、歌詞には結構注目しますが……ってごめんなさい」
Iz「ええよ。ほんと色々聴くんやな」
束音「Izさんはどんなの聴くんですか?」
Iz「ん? 俺? 俺はそうだな、洋楽ロックパンクが多いかな」
Aoki「お二人さーん! 俺の曲終わってもたんやけど!」
Iz「マイクで叫ぶんじゃねえよ」
Aoki「二人とも入れてや。俺一人で歌うで」
束音「すみません。今入れますね」
Iz「あ、煙草吸っていい?」
束音「いいですよ、煙草平気なんで。家族みんな煙草とか動物駄目なのになぜかうちだけ大丈夫なんですよね。鼻が強いのかなあ」
Aoki「へえ、花粉症とかは?」
束音「あ、うちだけないです」
Aoki「羨ましいな」
束音「Aokiさん花粉症あるんですか?」
Aoki「いや、俺やのうて、Junがな。春になるとやばいんや。家行っても入る前に服についた花粉落とさんといけへんし、余計喋らんくなんるし、なあ?」
Iz「束音ちゃんお腹空かない?」
Aoki「話変えるにもほどあるやろ」
Iz「だってもうこんな時間だぜ。腹空かんわけないだろ?」
Aoki「あ、ほんまや。そう思ったら腹減ってきたわ」
Iz「束音ちゃん何にする?」
束音「え、えーと。うちお腹空いてませんから」
Iz「遠慮するなら、ロシアンたこ焼き一人で食べてもらうよ」
束音「それは嫌です!」
Aoki(すごい嫌がりようだな。何でやろ?)
束音「あ、エヴァだ。定番ですよねー。うちは歌ったことないけど。じゃあうちもアニソン入れようっと」
Iz(俺あんま知らんなあ……)
Aoki「おお、セーラームーンや。さすが女の子」
束音「あんまり歌ったことなんですけどね」
Aoki「あ、Iz入れてないやん。お前あんま聴きそうにないもんな。俺が誰でも分かるやつ入れてやるよ」
束音「ぶっ! あ、Aokiさん、誰でも分かりますけど……Izさんがこれって……」
Aoki「ほら、Izの番やで」
Iz「そうだ、うれしいんだ、生きるよろこび、たとえ、胸の傷が、痛んでも」
Aoki(やばい、逆に笑えねえ)
束音(こんな渋いアンパンマンのマーチ聴いたの初めてだ)
Iz「さあて、Aoki君にはどんな恥ずかしいの歌ってもらおうかなあ」
Aoki(……何来るんやろ)
Aoki「俺ら何時間いんねん?」
束音「結構いますよね。延長もしましたし」
Iz「次電話来たらもう終わりな」
束音(もっと歌いたい……)
Aoki「あ、電話来た。はいはい。了解しましたー」
束音(あー……あと十分かあ……)
Iz「束音ちゃん、最後歌い」
束音「えっ、でも……」
Aoki「俺らの曲歌ってや。束音歌わんし」
束音「プロの前で歌えるわけないじゃないですかあ。ラルク歌います」
Aoki「もう入れたで?」
束音「えー!」
Iz「ほら、マイク」
束音(しかも自分作詞したやつだし)
Aoki「はー歌ったなあ!」
束音「そうですね。私はまだまだ歌い足りないですけど」
Iz「マジで? 結構歌ったくない?」
束音「うち歌うのめっちゃ好きなんで。家にカラオケルームが欲しいぐらい」
Iz「いや、いらんでしょ」
束音「そうですかあ?」
Aoki「次どこ行く?」
Iz「どこもねえから。束音ちゃんもつまんなそうな顔をしない」
束音(……よく見てるなあ)
Iz「今日は友達んとこ泊るんだよね?」
束音「あ、はい」
Iz「送ってくよ」
束音「大丈夫ですよ。どうせ電車で少しですから。まだ大した時間でもないし」
Iz「だーめ。女の子が一人で夜道歩いちゃ駄目です。それにまた当分会えないし、少しでも長くいさせてよ」
束音(うわっ、はっず)
Aoki「あー束音赤面」
束音「だってそんなこと真正面から言われたことないし。大人ってみんなそうなんですかあ……」
Iz「ははっ、普通だって」
束音「じゃ、お言葉に甘えて。お願いします」
Iz「了解」
Aoki「リーダー俺も送ってや。夜道危ないし」
Iz「ある意味な」
束音「……Junさんにも会いたかったな」
Iz「Junはカラオケ苦手だから、無理だな」
束音「それは残念。Junさんによろしく伝えてくださいね」
Iz「あいつも喜ぶよ」
束音(Junさんが喜ぶって、想像つかないなあ)
束音「あ、ここでいいですよ」
束音「今日はありがとうございました。また」
Iz「うん、またね」
Aoki「つーかね」
束音「はい?」
Aoki「チュッ……おやすみ」
Iz(あほだ)
Aoki「じゃーね!」
束音「お、おやすみなさい」